研究内容
(1) 転位挙動の研究
変形中の金属内部での転位挙動を非破壊手法にて解明を進めています。本学にて構築した引張試験と電気抵抗率の同時測定方法により、変形中での転位ー転位・固溶原子・原子クラスタ・析出物の関係解明を進めています。
中ひずみ域での電気抵抗率の周期振動は転位セル形成に起因するもの
と推測されています
(2) 原子クラスタの研究
金属材料に微量に添加した他元素の原子集団(原子クラスタ)の形成と成長、および金属材料自体に及ぼす影響を調べています。
(3)プロトンの拡散の研究
金属中に侵入した微量な水素は主にプロトン(陽子)として存在して金属内部を拡散します。その挙動は「量子力学」で解釈されます。様々な環境下にて、プロトンの量子力学に基づく拡散挙動(トンネル効果による拡散)の研究を進めています。
産業での要求特性の原因をミクロ・ナノレベルでサイエンスの視点で物理・化学・情報の研究を進めています。得られた結果を要求特性に返すエンジニアリングを行います。これら研究では多くの大学(北海道大学、東北大学、名古屋大学、九州大学)のご協力ご指導をいただいております。お礼申し上げます。
2023年度研究テーマ
- パラジウム中水素の異常発熱現象とバナジウム中水素の量子論効果の解明
- 転位のクラスタ・析出物の再固溶と核形成への影響調査
- アルミニウム合金中の時効析出挙動の調査
- 加工誘起マルテンサイトとPLCバンド形成伝搬の調査
- 機械学習による転位セル形成挙動と析出物形成挙動の調査
- 時効析出の時間制御技術の構築
- 電気抵抗率測定によるアルミニウムにおけるセレーション解析
研究風景
研究室での様子
実験の様子